電磁式ダイヤフラムポンプは、電磁石とプランジャー(可動鉄心)を用いたシンプルな構造により、ダイヤフラムを往復運動させることで送液を行います。コイルに電流が流れると電磁石が磁力を発生させ、内部のプランジャーが電磁石側へ引き寄せられます。
このプランジャーの直線的な動きがダイヤフラムに伝達され、ダイヤフラムが後退することでポンプ内部に負圧が生じ、吸引工程として吸込側の弁が開き、液体がポンプ内へ取り込まれます。
通電が解除されると、電磁石の磁力は消失し、あらかじめ組み込まれたスプリングの力によってプランジャーは元の位置へ復帰します。これによりダイヤフラムが押し戻され、ポンプ内部の液体が加圧されることで、吐出側の弁が開き、吐出工程として液体が一定量ずつ送り出されます。
この「通電による引き込み」と「スプリングによる復帰」という一連の動作を繰り返すことで、ダイヤフラムは安定した往復運動を行い、定量性の高い送液を実現します。機械的な回転部を持たない構造のため、摩耗や劣化が起こりにくく、長期間にわたって安定した運転が可能である点も電磁式ダイヤフラムポンプの特徴です。
また、通電回数や駆動頻度を制御することで、吐出量の調整がしやすく、薬液注入や水処理設備など、正確な流量管理が求められる現場で幅広く採用されています。
電磁式ダイヤフラムポンプの大きな特長の一つが、高い定量性です。プランジャーの往復動作が一定量の吐出に直結しているため、1ストロークあたりの吐出量が安定しやすく、薬液注入や水処理設備など、正確な流量管理が求められる用途に適しています。
また、モーターや減速機を使用しない構造であるため、装置全体がコンパクトにまとまりやすく、省スペースでの設置が可能です。制御部とポンプ部が一体化した製品も多く、制御盤や周辺機器の簡素化につながる点もメリットといえます。
構造が比較的単純で、回転部品が少ないことから、部品点数が抑えられ、メンテナンス性に優れている点も特長です。結果として導入コスト・維持コストのバランスが良く、コストパフォーマンスに優れた定量ポンプとして幅広い現場で採用されています。
さらに、外部信号による流量調整が容易である点も電磁式ならではの利点です。パルス信号入力や4-20mAのアナログ信号入力に対応した機種であれば、他設備と連動した自動制御が可能となり、運転条件の変更や遠隔制御にも柔軟に対応できます。
一方で、電磁式ダイヤフラムポンプには適用上の注意点もあります。吐出力がプランジャーの駆動力に依存するため、高粘度液やスラリー状の液体には不向きな場合があります。粘度が高い液体では吸引不良や吐出量低下が起こりやすく、事前の粘度確認が重要です。
また、構造上、高流量や高圧力が必要な用途には対応しづらい傾向があります。大量送液や高圧送液が必要な場合には、エア駆動式やモーター駆動式など、他方式のダイヤフラムポンプを検討する必要があります。
電磁石の励磁・消磁に伴い、作動時に電磁音が発生する点も注意点の一つです。設置環境によっては騒音が気になる場合があるため、防音対策や設置場所の工夫が求められます。
これらのデメリットについては、使用条件に適した機種選定や、配管設計・設置環境の見直しによって影響を抑えることが可能です。用途や液体特性を十分に考慮した上で導入することが、電磁式ダイヤフラムポンプを安定して使用するための重要なポイントとなります。
機械同士の摩擦による劣化や部品摩耗がないため、長期連続使用が求められる現場で活用されることが多いダイヤフラムポンプです。
飲料水二次滅菌や供給水処理などの水処理分野、食品分野や表面処理分野などで活用。また、具体的な用途として、酸、アルカリなどの薬液注入、ボイラー薬品の注入、水耕栽培や畜産現場での栄養剤や消毒剤注入などがあげられます。
電磁式ダイヤフラムポンプは、一定量の薬液を安定して注入できる定量性の高さから、薬液注入・水処理分野で多く採用されています。上水道や下水道処理施設では、次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒薬注入に用いられ、水質の安定管理に貢献しています。
また、プール設備や冷却水循環設備においても、殺菌剤や防藻剤、スケール防止剤などの薬剤注入用途で活用されます。必要なタイミングで必要な量のみを注入できるため、薬剤使用量の最適化や運転コストの削減につながります。
そのほか、ボイラー水処理分野では、腐食防止剤やpH調整剤の注入用途として使用され、ボイラー内部のスケール付着や腐食の抑制に寄与します。これらの用途では、長時間連続運転が求められるケースが多く、電磁式ダイヤフラムポンプの信頼性と耐久性が評価されています。
電磁式ダイヤフラムポンプの流量調整は、主にストローク長(行程)とストローク速度(作動頻度)の組み合わせによって行われます。ストローク長を変更することで1回あたりの吐出量を調整でき、ストローク速度を変更することで単位時間あたりの吐出回数を制御します。
これらを組み合わせることで、微量注入から比較的広い流量範囲まで柔軟に対応できる点が電磁式の特長です。デジタル制御や外部信号入力に対応した機種では、運転中でも流量変更が可能な場合があり、運用の自由度が高まります。
一方で、選定時には流量性能だけでなく、薬液の性質に応じた耐薬品性の確認が欠かせません。ポンプヘッドやダイヤフラム、継手部材の材質によって対応可能な薬液が異なるため、使用する薬品に適した材質選定が重要となります。
さらに、屋外設置や粉塵の多い環境では、防塵・防水性能も重要な判断基準となります。防水保護等級(IP等級)や設置環境への適合性を事前に確認することで、トラブルの発生を抑え、安定した長期運用につなげることができます。
フリー電源で高分解能、デジタル制御が可能であるため、多様な薬液注入現場などで活用することができます。コントローラーをデジタル化することにより、1spm刻みの設定が可能。そのため、幅広い吐出量の設定をすることができます。
マルチ継手構造を採用しているため、特殊なナットによりチューブ接続時のよじれがありません。また、ユニットごとにシール構造を施しているため、防塵・防水にも対応可能です。
| 製品名 | 電磁定量ポンプ EHN-Rシリーズ(標準タイプ) |
|---|---|
| メーカー | 株式会社イワキ |
| 公式HP | https://www.iwakipumps.jp/ |
| 電話番号 | 03-5820-7562(東京支店) |
最大吐出圧力1.6MPa、注入点圧力1.0MPaで連続的な薬液注入が可能です。また、接点信号入力やアナログ信号入力に対応した自動運転ができます。
ポンプヘッドや継手に高耐蝕樹脂(PVDF)を使用しているため、一般薬液だけでなく、酸やアルカリにも対応することができます。そのほか、エア抜き機構の自動制御により、気泡が発生しやすい薬液でもガスロックなしで定量注入することが可能です。
| 製品名 | 電磁駆動ポンプ MP-L(ベーシック) |
|---|---|
| メーカー | 株式会社トーケミ |
| 公式HP | https://www.tohkemy.co.jp/ |
| 電話番号 | 06-6301-3141(本社) |
接合部はPVC、PPTEなどの樹脂製を採用しており、熟練の職人技による丁寧な削り出し加工で高精度かつ高耐久性を実現しています。また、電源と連動して設定された回数作動や外部パルス入力に応じた設定回数作動など、多彩な制御方式に対応可能です。
JIS防水保護等級6準拠であるため、いかなる方向から直接噴流を受けても内部に水が入ることがありません。
| 製品名 | 電磁駆動ダイヤフラムポンプ MGI型 |
|---|---|
| メーカー | 共立機巧株式会社 |
| 公式HP | https://www.kyoritsukiko.co.jp/ |
| 電話番号 | 03-3512-8181(東京支店) |
ダイヤフラムポンプメーカーには、これまでにかかわってきた業界、実績・経験によって製品開発の特色があります。
このサイトでは、用途別におすすめのメーカーや製品について紹介しているので、参考にしてみてください。
画像引用元:ジャパンマシナリー公式HP
(https://www.jmc.asia/products/wilden/)
画像引用元:ジャパンマシナリー公式HP
(https://www.jmc.asia/products/almatec-futur/)
画像引用元:ジャパンマシナリー公式HP
(https://www.jmc.asia/products/quattroflow/)
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