ダイヤフラムポンプの種類
ダイヤフラムポンプは、業界や用途によって様々な動力のものがあります。以下がすべてではありませんが、一例を掲載しています。また、使用するポンプの仕様や材質によって、移送に適するものは異なるため、かならずメーカーの指示や仕様を確認してください。
手動式・小型ダイヤフラムポンプ
手動レバーでダイヤフラム(膜)を往復させるタイプのほか、電子制御によりモーターの回転運動を往復(上下)運動に変換してダイヤフラムを動かし、ポンプ室の容積変化で気体・液体を吸入/吐出します。コンパクトなため、単体利用だけでなく機器に組み込んで使われるケースもあります。
- メリット:小型で省スペース/機器組み込みに向く。用途によっては圧力変動があっても流量変動を抑えやすい。小容量の送液・送気を安定させたい場面で選びやすい。
- デメリット:大流量には不向きで、用途により脈動(流量の波)が出る。ダイヤフラムやチェックバルブは消耗部品のため、定期点検・交換が前提。手動式は運転・管理の手間が増えやすい。機種によって作動音が課題になることがあります。
- 代表的な用途:TFF(タンジェンシャルフロー)、液体クロマトグラフィー、遠心分離機、滅菌ウイルスろ過、精製・インライン希釈、美容・健康機器、印刷機、介護機器、家電製品 など。
このサイトでは、手動式・小型ダイヤフラムポンプの特徴や主な用途のほか、製品実例として取り扱いメーカー、連絡先などの基本情報をまとめています。
手動式・小型ダイヤフラムポンプ
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電動ダイヤフラムポンプ
100Vなどの電源でモーターを回し、回転運動をダイヤフラムの往復運動に変換してポンプ室を膨張・収縮させ、吸入と吐出を繰り返します。回転数(ストローク)制御で流量調整しやすく、定量運転の設定がしやすい構成です。
- メリット:電源が確保できれば運用しやすく、流量調整(定量注入・定量移送)の設定が行いやすい。エア設備が不要なため、設置・運転条件によってはランニングコストを読みやすい。
- デメリット:電源が必須で、設置環境(防爆要件・湿気・粉じん等)に配慮が必要。往復動作のため脈動が出ることがあり、配管条件によっては脈動対策(ダンパ等)や制御の調整が必要。ダイヤフラムやバルブは消耗し、定期メンテナンスが前提。モーター音・振動が課題になる場合があります。
- 代表的な用途:現場での液体の定量注入・移送、軽量用途、下水処理、リチウムイオン二次電池関連工程、CIP洗浄、汚泥スラッジの吸引・回収(構成により)など。
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電動ダイヤフラムポンプ
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エアー駆動ダイヤフラムポンプ
圧縮空気を動力源に、空気圧でダイヤフラムを押し引きしてポンプ室の容積を変化させ、液体を吸い込み・吐き出す方式です。電気モーターを使わずに稼働でき、材質選定(樹脂・金属・ダイヤフラム材)で腐食性液・摩耗性液などへの適合を図ります。
- メリット:電源不要で、防爆エリアなど電気使用に制約がある環境でも選択肢になりやすい。薬液・溶剤・高粘度液・スラリーなど幅広い流体に対応させやすい(材質選定が前提)。空運転に比較的強く、液切れが起こりやすい運転条件でも使われることがあります。
- デメリット:供給空気圧や配管条件の影響を受けやすく、流量が変動しやすい(脈動も出やすい)。排気音・エアバルブ作動音など、騒音対策が必要になることがある。コンプレッサやエア配管が前提で、エア消費量によってランニングコストが増えやすい。ダイヤフラム/チェックバルブ/エアバルブ等の定期点検・交換が必要。
- 代表的な用途:鉱業・建設(汚泥・スラリー移送など)、化学工業(薬品移送・タンク積み下ろし等)、機械工業(潤滑油・洗浄液・廃液)、塗装・コーティング(塗料・インク供給)、セラミックス(高濃度スラリー搬送)、表面処理・メッキ(薬品移送・廃液)、製紙・パルプ(接着剤・染料等)、上下水・排水処理(汚水・浮遊物を含む液体)など。
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エアー駆動ダイヤフラムポンプ
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電磁式ダイヤフラムポンプ
電磁石に電流を流して磁力を発生させ、永久磁石のロッドを吸着・反発で振幅させることでダイヤフラムを変形させ、吸入弁・吐出弁の開閉とあわせて吸入/吐出を行います。ストロークや駆動条件の調整で、薬液注入などの定量用途に用いられます。
- メリット:機械同士の摩擦による劣化や部品摩耗が起こりにくい構成のため、長期連続運転が求められる用途で検討されることがある。比較的小流量の定量注入に合わせやすい。
- デメリット:一般に大流量には不向きで、流量レンジが限られやすい。往復動作による脈動が出ることがある。電源が必要で、設置環境の配慮が前提。機種によっては作動音(電磁駆動特有の音)や振動が課題になる場合があります。ダイヤフラムや弁は消耗品で定期交換が必要。
- 代表的な用途:飲料水二次滅菌や供給水処理などの水処理、食品、表面処理。酸・アルカリなどの薬液注入、ボイラー薬品注入、水耕栽培・畜産現場での栄養剤/消毒剤注入など。
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電磁式ダイヤフラムポンプ
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油圧式ダイヤフラムポンプ
駆動源のピストンとダイヤフラムの間にシリコン油などの作動油を介在させて力を伝達し、ダイヤフラムの往復で吸入/吐出を行います。構造上、注入先の圧力変動があっても吐出量が変化しにくいよう設計されることがあり、高精度・高圧の定量注入で用いられます。
- メリット:圧力変動がある条件でも高精度な定量注入を狙いやすく、高圧ラインでの薬品注入などに適用される。外気に触れると性質が変わる流体の移送・注入で検討されることがある(機種・構成による)。
- デメリット:構造が複雑になりやすく、初期コストや保守コストが上がりやすい。作動油を扱うため、点検項目が増えることがある。万一ダイヤフラムに異常が起きた場合は、作動油側への影響も含めた確認が必要。駆動部(モーター等)の騒音・振動は機種と設置条件に左右されます。
- 代表的な用途:石油化学プロセスなどの高圧ラインでの薬品定量注入、医薬品・食品・飲料・製紙の製造プロセス、100℃を超える高温液体の定量注入(適合仕様が前提)、多連タイプによる複数ライン同時注入など。
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油圧式ダイヤフラムポンプ
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メカニカルダイヤフラムポンプ
エアー室に圧縮空気を交互に送り、センターロッドとダイヤフラムを左右に往復させて、2つのポンプ室で「押し出し」と「吸い込み」を繰り返す方式です。スライドバルブの切り替えにより空気供給先を切り替え、連続的に吸入・吐出します。
- メリット:圧縮空気で駆動でき、用途によっては防爆性が求められる現場でも検討しやすい。薬液注入などの現場用途で幅広く使われることがある。流体条件に応じた材質選定で、汚水・廃液・塗料など多様な液体に合わせやすい(適合確認が前提)。
- デメリット:空気圧や配管条件の影響で流量が変動しやすく、脈動も出やすい。エア駆動のため排気音などの騒音対策が必要になる場合がある。コンプレッサ等の設備が前提で、エア消費によりランニングコストが増えやすい。ダイヤフラム、バルブ、エア切替部の定期メンテナンスが必要。
- 代表的な用途:水処理施設・廃棄物処理施設・工業プロセス・農業での薬液注入。リチウムイオン二次電池などの新エネルギー分野、フィルタープレスへの供給、離型剤の循環・スプレー、工場排水や廃油の汲み出し、オイル/クーラント液/塗料の供給など。
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メカニカルダイヤフラムポンプ
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